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2005年04月05日

NATURA Tips

超高感度フィルムは明るい場所でもへっちゃら

みなさんこんにちは。富士フイルムの清都です。フィルムの研究をやっています。
NATURAブログを見に来ていただきありがとうございます。最近NATURAの話題をネット上でよく見かけるようになりました。ただ残念なことに、たまに「フィルムに対して誤解しているな」と思うような記事が書かれていることがあります。これは「今まで秘密にしていたつもりはないけど、みなさんに知られていないことが多かったこと」が原因ではないかと思い、われわれも反省しています。そこでこのブログという場を使って、直接みなさんにフィルムの真の姿をお伝えできたらな、と思っています。

さて、今回私がみなさんにお話するのはNATURAで推奨している「超高感度フィルムNATURA1600」についてです。超高感度フィルムでも、実は、明るいところでもへっちゃら!というお話です。
NATURA1600はご存知のように超高感度で夜の撮影にて実力を発揮するフィルムです。そのためか「昼間の撮影に使わないほうがいい」とか「白トビする」とかいろいろ噂されることがあります。しかし、実際は昼間でもよく写るんです。

この3つの写真は、コンパクトタイプのデジタルカメラ、NATURAにNATURA1600を入れたもの、通常のコンパクトカメラにISO400のフィルムを入れたもの、で、日中屋外で撮影したものです。これを見てお分かりのようにNATURAにNATURA1600を入れて撮った写真は他のカメラで撮った写真と遜色なく昼間もよく撮れています。

画角とかの違いはありますが、画質は全然変わらないでしょ?
なぜ超高感度フィルムのNATURA1600は明るいところで大丈夫かというと、NATURA1600はどんなに明るいところでも記録できる仕組みを持っているからなんです。

では、その実力のほどを見てみましょう。

上の写真をクリックして大きくして見て下さいね。
縦に4枚並んでいますが、これは上にいくほど、NATURA1600にたくさん光を当てています。すなわち上に行くほどすっごく明るい場所で撮影したことになります。ちなみに、一番下に対して一番上は64倍も明るい場所で撮ったことになります。

左側の写真は、NATURA1600に記録された情報から、そのままプリントを作った場合です。明るい場所だと、白く飛んで何も写っていないように見えるでしょ?でも、実は違うんです。NATURA1600にはちゃんと情報が記録されていて、プリント時に「濃度補正」(プリントの濃さを調整する)という加工が行われて、みなさんが受け取るプリントは、右側のように、どんな明るさで撮ってもそれほど変わらない仕上がりとなるんです。

「ふ~ん、すごいんだね」ぐらいは思ってもらえましたか?

もう一枚写真をお見せしましょう。

これは、NATURA1600をデジカメとリバーサルフィルムと比べたものです。
デジカメもリバーサルフィルムも「濃度補正」をしていますが、絵は出てきません。通常よりも明るいところの情報は記録されていないのです。NATURA1600の完勝です。NATURA1600にはちゃんと情報が記録されていました。それは、NATURA1600に代表されるフジフイルムの高感度ネガフィルムは、「たくさんの光に反応する小さな結晶」と「少ない光に反応する大きな結晶」を持っているからです。だから、明るいところでは「小さな結晶」が、暗いところでは「大きな結晶」が反応して、ちゃんとそれぞれの情報を残してくれるんですね。

それに対して、デジタルカメラやリバーサルフィルムは、そういった明るいところから、光が少ないところ(暗い所、または影)の幅広い範囲の光に対応するのがとても難しいのです。なぜなら、デジタルカメラもリバーサルフィルムも「適正な量の光に反応する小さめの結晶」しか持っていないからです。このため、多すぎる光に対しては情報の許容量をオーバーして記録ができなくなり、少なすぎる光には情報が少なすぎて反応できないので記録ができないのです。これが、良く言われる「白トビ」「黒ツブレ」の原因なのです。
(でもデジタルカメラやリバーサルフィルムには、ネガフィルムよりも優れているところがちゃんとあるんですよ!それはまた別の機会にお話したいと思います。)

最初に一部の方がNATURA1600が「白トビ」すると心配した理由は、今まで従来の高感度フィルムを使っていて「白トビ」を起こしてしまったからなんですね。これは「少ない光に反応する大きな結晶」しか持っていなかったからなんです。

というわけで、NATURA1600は、日中屋外のような明るい場所でも全然問題なく使えること、わかっていただけましたでしょうか。

NPモードの秘密2:光の色の話3はこちら

(もっと詳しく)


上記の図のようにフィルムの中にはハロゲン化銀という光に感じる小さな結晶がたくさん入っています。このハロゲン化銀のかたちは六角形の薄い板のようなかたちをしています。フィルムの中にはいろいろなサイズのハロゲン化銀が入っています。大きなサイズのハロゲン化銀は光が少ないとき用、小さなサイズのハロゲン化銀は光が多いとき用とそれぞれ役割を持っています。この光が多いとき用のハロゲン化銀(=明るいときに活躍するハロゲン化銀)があるから明るく撮ってもちゃんと情報を持てるんです。

じゃどのくらい明るく撮ってしまっても大丈夫なんでしょう?

この図は、CCDとNATURA1600の光の応答の違いを表しています。横軸が光の明るさ、左が暗く右が明るくなってます。縦軸は相対的な応答の強さを表しています。マゼンタ色は代表的なシーンの明るさ分布を示しています。
CCDでは+1段で飽和してハイライト(シーンの中で一番明るいところ)が記録できなくなってしまいますが、カラーネガはなんと、+8段でもハイライトの情報を記録できることがわかります。
実例を見てみましょう。

これをを見て分かるように適性露出の64倍の光量、露光量で言うと+6段まで大丈夫です。だからNATURA1600をISO25の感度に設定して撮影しても写ります。
どうです?NATURA1600って暗いところに強いだけではなく実は明るいところも強いでしょ?

これならNATUA1600をどんな明るい場所で使っても安心ですね!

オマケのお話ですが、こんなフィルムの仕組みをうまく使っている商品に写ルンですがあります。これも、こんなに明るいところに強い、フィルムでなければできなかった商品の一例です。

2005年04月05日 10:37 | トラックバック (12)

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