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2005年04月01日
NPモードの秘密2:光の色の話3
みなさんこんにちは。富士フイルムの内田です。光の色の話は結構盛りだくさんで3回目になってしましました。
さあ、いよいよNPモードの秘密を解き明かす時が来ました。前回は、色温度が低いと青の露光が不足する場合がある、というお話でした。実は、NPモードはこれを防ぐために露出を増やしているのです。
低い色温度で露光を増やした時のヒストグラムをまずはお見せしましょう。
![]() | 低い色温度で光の量を倍に増やしました。(露出を1段増やす) 青、緑、赤のピークの位置に注意してみましょう。 |
![]() | こちらは普通の色温度です |
今度は青のピークがだいたい0EVの位置に来ました。そして、青のピーク同士の距離も普通の色温度とだいたい同じになっています。ここまでは普通の色温度の特長と同じになりました。しかし、緑のピークがが右側(プラス方向)に、赤のピークがもっと右側に行っています(黄色の矢印)。右に移動するのは大丈夫なのでしょうか?
そう、大丈夫なのです。これがカラーネガのいい所の一つです。右側にピークがずれるのは、露光を増やすことを意味します。露光を増やすことは何ら問題がないのです。(NATURA Tipsでいずれ解説予定です)さあ、今度はプリントを見てみましょう。(補正済み)
![]() 低い色温度(適正露光) |
+1EV |
![]() 低い色温度(プラス露光) |
![]() 通常の色温度 |
完全に同じになるわけではありませんが、ぐっと感じが良くなって、通常の色温度と同じような仕上がりになりましたね。(実際のプリントでは雰囲気を出すために、光の色をやや残します)
この考え方にしたがって、NATURAのNPモードでは+2EV(露光量で4倍)に増やしています。
この補正量には初回にお話した、「人の顔って意外と暗い?」の分も含まれています。
最後にもう一度NPモードの露光制御プログラムを見てみましょう。

(普通のカメラ:開放F値5.6、ISO400のフィルム、手ブレ規制1/30秒)
実はこの図は、横軸が明るさ(右が明るく、左が暗い)、縦軸は露出補正量(カメラが図った明るさより、どれだけたくさんの光を取り込むか)を表しているのです。
横軸の5.5から8.0(一般的な室内の明るさ)までNPモードは+2になってるでしょ。その理由が、このような照明の性質にあったのです。5.5以下で左の方に下がっている理由は、またの機会に説明しますね。
こんな秘密がNPモードには隠されていたのです。
(もっと詳しく)
上記の記事では一つだけ重要な情報を省略しています。それはカメラの測光の分光感度です。人間の目が明るさに感じるエネルギー分布は標準比視感度として知られています。カメラの測光の分光感度は、これを目標に作られています。(見た印象だいぶ違いますが、ピークの波長はほぼ一致しています。

一方、カラーネガフイルムは赤、緑、青で、それぞれ波長に対する感度依存性、分光感度というものを持っています。この分光感度は人間の目の分光感度に近くなるように設計されています。(富士フイルムではより近づけるために第四の感色層も使用しています)

これで必要な登場人物はすべて出揃いました。
カメラの測光値は、光源のエネルギーとカメラの測光の分光感度で決まります。
これで決定された露光条件で露光を行うと、光源のエネルギー、フイルムの分光感度の積分値でそれぞれの色の露光量が決まるのですね。カメラの測光の分光感度と、フイルムの緑の分光感度が近いために、緑は常に適性露出が維持されますが、他の色は、光の色によって、露出が不足する場合も出てくるのです。
2005年04月01日 10:38 | トラックバック (3)
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