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2005年3月16日

NATURA Tips

NPモードの秘密1:人の顔って意外と暗い?

みなさんこんにちは。富士フイルムの内田です。
皆さん、NPモードって知ってますか?NPモードというのは、ノンフラッシュできれいな写真を簡単に撮影するために、NATURA Sに特別に設けられた露光制御プログラム。図にするとこんな風に書けます。


001.jpg
(普通のカメラ:開放F値5.6、ISO400のフィルム、手ブレ規制1/30秒)

ここでは、普通のカメラとずいぶん違うんだなぁ、ということだけ理解しておいて下さいね。
普通のカメラよりずっと上にあるということは、カメラが図った明るさよりもたくさんの光を取り込む露光を行う、ということを意味します。このNPモードが付いているからこそ、シャッターを切るだけで、ノンフラッシュで雰囲気のある写真が撮れるのです。NPモードは、ISO1600のフィルム、NATURA1600などが装填された場合だけ有効になります。本日はNPモードの秘密第一回ということで、「人の顔って、意外と暗い?」という切り口で解説していきたいと思います。

今日持ってきた比較写真は、両方ともノンフラッシュの写真です。何が違うかって?それはNPモードの有り無しです。NPモード無しだと、なんだか力が弱く、ざらざらした感じがしますよね。




NPモードなし


NPモード有り

でもNPモードで撮影すると、
色がしっかりして、くっきり写り、ざらざら感もあまり感じられませんよね。
この違いは、さきほどのグラフにもあった、NPモード特有の露出補正にあります。

カメラは、そのシーンの明るさを測定して、それに応じて絞りとシャッタースピードを調整して、適切な露光量となるような制御をします。こんな賢い機能があるから、シャッター切るだけできれいな写真が撮れるんです。しかし、これは万能ではありません。
このカメラは「中央部重点平均測光」という測光方式ですが、要は、真ん中付近の明るさを重点的に測定する、という方法です。多くのカメラが採用している代表的な測光方式です。

ここで一つ実験をしてみましょう。
手のひらを上に向けたときと、縦に向けた時で、手のひらの明るさがどう変化するか観察してみてみましょう。

001.jpg

ほとんどの方は、手のひらを上に向けた方が明るかったはずです。理由は簡単で、照明が上(天井)にあるからですね。人の顔ってどっち向いてるかって?そりゃ普通は縦に向いてますよね。だから人の顔はテーブルの上の明るさより暗いんです。

カメラは一応撮るべき人に向かって明るさを測ります。でも、人の後ろの壁や家具の明るさも一緒に測定してしまうのです。壁や家具は手のひらを上に向けた時よりはやや暗いけど、縦に向けた時よりは、ずっと明るいのです。試しに、手のひらを縦にしたまま、部屋の中央から壁の方に、手を中央に向けたまま移動してみて下さい。隅に行くほど明るくなったはずです。

001.jpg

これでわかることは、「カメラが測る明るさより人の顔は暗い」ということです。「それじゃ、もっといっぱい光を取り込もう(露出補正)」、ということをNPモードが自動で行っているのです。わかってしまえば簡単な話ですね。こんな簡単なことで、見違えるほどきれいな写真が撮れるようになってしまうのです。でも、実はこのほかにもNPモードで露出補正が必要な理由があります。それは次回のお楽しみということで。

(もっと詳しく)
技術的にもっと詳しく知りたい、という方のために少々技術的な解説をします。
手のひらの実験で行ったのは、いわゆる水平面照度と鉛直面照度の差を実感する実験です。照明設計は水平面照度を基準に設計されており、鉛直面照度は水平面よりも2EV程度暗くても構わない、と規定されています。(JIS Z9110-1979) 部屋の中央の水平面照度と壁の明るさは相関があり、最近は壁を使った間接照明も多用されていることから、人物を測光したつもりでも、壁を測光しており、典型的な逆光シーンとなってしまった、という状況が極めて多いことがわかりました。これがただノンフラッシュにするだけでなく、露出補正が必要だった理由の一つです。シーンにもよりますが、この現象の補正のためには1~2EVの露出補正が必要です。
これは中央部重点平均測光特有の現象か、というと実はそうでもなく、多分割測光しているハイテクセンサーでも露出補正が必要なことがわかっています。ここら辺の解説はまた次の機会にとっておきましょう。

2005年3月16日 18:50 | トラックバック (0)

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